雨水タンクの設置は慎重に!風呂水利用は後悔しがちな点を解説

雨水タンクは水道費の節約に役立つ便利なアイテムです。雨水タンクを導入する初期費用や維持費がかかるので、費用対効果が得られるには長い時間を要します。ご家庭によっては、雨水タンクを設置して貯まった水を風呂水に利用できないか考えているところもあるのではないでしょうか。雨水は身近な水資源ですが、水道水ほどの綺麗な水質ではないため、風呂水や飲用には向いていません。
この記事では、雨水タンクの基礎知識や風呂水利用は、後悔しがちな点を解説していきます。
雨水タンクとは
雨水タンクは、文字通り雨水をタンクの中に貯めて再利用する製品です。雨水を利用することで水道水の使用量を減らし、環境に優しい生活の実現が可能です。特に水資源が限られている地域や、節水を重視する家庭にとっては、雨水タンクの導入は大きなメリットになるでしょう。
雨水タンクは様々な価格帯で販売されています。例えば、小型タイプは1万円台から購入可能です。大型で高機能なタイプになると数万円以上する場合もあります。購入先としては、オンラインショッピングやホームセンターなどが挙げられます。
容量に関しては使用用途や面積で異なりますが、庭木への水やりや洗車程度であれば、200L程でも家庭用として十分使用可能です。貯水量は雨水タンクの容量、屋根の面積、傾斜角度、降水量などが関係します。
例えば、弱い雨が1時間~2時間程度降り続くと、家庭用の200L程度の雨水タンクが満水になります。製品寿命は材質や設置場所の環境によって異なりますが、一般的なポリエチレンやステンレス製では、約10年間は問題無く使用できるでしょう。直射日光に当たり続けると、経年劣化が進み製品寿命を縮める原因になります。雨水タンクは、風呂水や飲用の使用用途に適していないため注意が必要です。
雨水タンクの風呂水利用が後悔しがちな点
ここまでで、雨水タンクの基礎知識や風呂水利用には、適していないことをお伝えしてきました。雨水タンクの設置を考えている人は、なぜ風呂水利用は避けた方がよいのか疑問に思うのではないでしょうか。
次の項目では、雨水タンクの風呂水利用は、後悔しがちな点を解説していきます。
- 衛生面の懸念
- 初期費用と維持費
- 安定した水量の確保
- 定期的な清掃とメンテンス
- 設置場所の確保
1.衛生面の懸念
雨水タンクの風呂水利用は衛生面での懸念が大きいです。雨水には大気中の汚染物質や、細菌が含まれている可能性があるからです。雨水が屋根や雨樋を伝って集められる過程で、様々な不純物が混入する可能性が高くなります。
風呂水として使用すると、健康被害を引き起こすリスクがあります。また、雨水タンクの管理が不十分な場合、水質が悪化しやすくなるでしょう。タンク内で水が長期間滞留すると、極端に水質が悪化して悪臭や感染症の原因になりかねません。
2.初期費用と維持費
雨水タンクの設置には、タンク本体の購入費用に加え、設置工事費用や必要な配管工事なども考慮しなければなりません。初期費用だけではなく、継続的な維持費も発生します。例えば、定期的な清掃代、消耗部品代、メンテナンス代、電気代などのランニングコストも見込む必要があります。
雨水タンクの維持費を考えると、風呂水としての利用はコスパに優れているとは言えません。水道代の節約効果だけでは、大きな費用対効果を得るのに長い時間がかかる可能性があるでしょう。
3.安定した水量の確保
お風呂に浸かるという習慣は、私達の日常生活において欠かせない行動です。毎日入浴する人がほとんどですから、雨水タンクを風呂水として利用するためには、安定した水量の確保が必要です。雨水は天候に依存しており、降雨量は季節や地域によって大きく変動します。降水量が少ない地域や乾季には、雨水だけで風呂水をまかなうことが難しい場合があります。
そのため、雨水タンクを設置しても風呂水に必要な水量を常に確保できるとは限りません。長期間晴天が続く場合には水不足になるリスクもあります。雨水タンクが満杯になると、水が溢れて周囲を濡らす可能性があります。
オーバーフロー対策として、余分な水を排水する仕組みを設けることが重要です。万が一に備えてオーバーフロー防止機能が付いてるタイプを設置した方が安心です。設置時はオーバーフロー防止機能が正しく作動するか確認しましょう。
4.定期的な清掃とメンテナンス
雨水タンクの良好な衛生状態を保つためには、定期的な清掃とメンテナンスが大切です。直射日光を避けたメンテナンスがしやすい場所を選ぶと、負担や労力を軽減できます。タンク内部には沈殿物や汚れが溜まりやすく、放置すると水質悪化や悪臭の原因になりかねません。水質チェックを怠ると設備の故障に繋がる可能性もあります。
時には水質検査を行い安全性を確認することも重要です。定期的にタンク内の洗浄、フィルターやポンプなどの機器の点検・清掃を行い、清潔な状態の維持が求められます。消耗品は必要に応じて交換するようにしましょう。
5.設置場所の確保
雨水タンクを設置する際には、適切な場所を確保する必要があります。タンクは満水時にとても重くなるため、設置場所の地盤が安定していて平坦な場所に設置しなければいけません。地面が柔らかい場合、タンクが沈んでしまう可能性があります。風呂水として十分な量を確保するためには、大型のタンクが必要となります。
都市部の住宅では、庭や敷地内に十分なスペースがない場合があるため、設置場所は事前に計画を立てることが重要です。家庭菜園やガーデニングを行っている場合、スペースを圧迫しないよう注意しましょう。直射日光を避け、メンテナンスがしやすい場所を選ぶことも重要です。日光によってタンク内の温度が上昇すると、水質が悪化しやすくなったり、紫外線によるタンク材質の劣化を招いたりする原因になります。
雨水タンクの設置は慎重に検討しよう!
雨水タンクは地球環境にやさしく災害時にも役立つ設備です。例えば、ご家庭に雨水タンクを設置することで、風呂水利用以外にも、家庭菜園やガーデニング、洗車などに雨水を利用して水道代を節約できます。災害時にはトイレの洗浄水として利用できるなど、非常時の生活用水として役立ちます。
しかし、雨水タンクの導入にあたっては、慎重に検討した方が良いでしょう。風呂水利用には、衛生面の懸念やコスパ、維持管理の手間などを考慮すると、最適だとは言えないからです。家庭菜園やガーデニング、非常用水として活用するのが、安全性が高く光熱費の節約に繋がるためおすすめです。
雨水タンクの設置は慎重に検討して、ご家庭のニーズや設置環境に合ったものを選び、長く快適に使用できるようにしましょう。光熱費の節約や快適な入浴環境の実現を考えるのであれば、省エネタイプやエネルギー効率が高い給湯器の設置・交換をおすすめします。
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まとめ
雨水タンクを使って風呂水として再利用するのは、環境保護や節水に貢献できる魅力的なアイデアです。しかし、実際には後悔に繋がる可能性がある点がいくつかあります。雨水に含まれる不純物や細菌の管理、タンクや設備の定期的なメンテナンスが必要となり、思っていたよりも手間やコストがかかるケースが多いです。
- 衛生面の懸念
- 初期費用と維持費
- 安定した水量の確保
- 定期的な清掃とメンテンス
- 設置場所の確保
雨水タンクの導入を検討する際には、上記でお伝えした問題点をしっかりと理解して風呂水利用や飲用は避けて、費用対効果を慎重に考えることが重要です。